この大地に、かつてない「循環」の物語を描く
~地域の未来を耕し続ける開拓者の壮大なる挑戦~
北海道・中標津町。地平線まで続く牧草地が広がるこの地で、今、既存の「牧場」という枠組みを大きく超えた、壮大なプロジェクトが動き出そうとしています。
洗練された情報発信、多様な人材を柔軟に受け入れる仕組み、そして広大な大地を舞台にした新たな事業拡大。
それを行うのは、
株式会社NHD farm代表の峰松宏樹さんです。
その原点は「自分は最初から牛飼いをやりたかった」という、真っ直ぐで揺るぎない情熱にありました。
親の勧めで社会を経験した日々も、その志がブレることはなく、むしろ募る想いを胸にこの大地へと舞い戻ったのです。
幾多の苦闘を糧に描き出した壮大なビジョン。峰松さんの温かな人柄と、未来への展望に迫ります。

🔥第1章:封じ込められた情熱と、サラリーマン時代の2年間
峰松さんの歩みは、周囲が思うような「消去法」での就農ではありませんでした。
「牛飼いをやりたい」
「家族の見える範囲で仕事がしたい」と
酪農への明確な志を抱いていたのです。
しかし、ご両親から「一度、社会人を経験してこい」と酪農の道を断られた峰松さんは、渋々、大阪の大手家電メーカーに就職します 。
「正直、あまり乗り気ではありませんでした。就職活動も全然うまくいかなくて……」。
サラリーマンとしての2年間は、峰松さんにとって決して「適職」とは言えない時間でした。
心は常に、故郷の緑の大地と、いつか共に歩むはずだった牛たちの元にありました。
🐮第2章:自らの意志で掴み取った道、そして「孤立」の10年間
ご両親は「自分の代で酪農を終わらせる」つもりでした。2年間のサラリーマン生活に終止符を打ち、「やりたい」という一心で無理やり故郷へ戻ったのです。
しかし、待っていたのは厳しい試練でした。「やりたければ勝手にやれ」と父からは突き放され、全く手伝ってもらえず、孤独な戦いが始まりました 。
経営は苦しく、赤字が続く日々。自分の存在を否定されているような感覚に陥り、心は荒れ、悪循環に陥っていました。
それでも牛飼いへの想いを捨てなかったのは、それが峰松さんにとって唯一無二の「歩みたい道」だったからです。
🐄第3章:どん底の淵で、背中を押してくれた言葉
転機は就農して10年目、35歳の時に訪れました 。ある出来事をきっかけに精神的などん底に陥った峰松さんを救ったのは、ある会社の社長からの、思いがけない一本の電話でした。
「もし酪農を辞めるなら、明日からそのままのお前をうちの会社で雇ってやる」
「そのままのお前でいい」
その言葉が、自己否定の塊だった峰松さんの心を溶かしました 。自分を卑下するのをやめ、前を向いた瞬間から、見える景色がガラッと変わりました。
マインドセットが変わると、状況も好転し始めます。一人で責任を持ってやり抜く覚悟が、今の峰松さんを形作る真の「覚醒」へと繋がっていったのです 。

🚀第4章:地域(Neighborhood)への恩返しという哲学
2018年、峰松さんは牧場を法人化し、「株式会社NHD farm」を設立しました。
社名の由来となった
「Neighborhood(ネイバーフッド)」=「地域・近隣」
という言葉には、かつて父が新規就農した際に多くの地元の方々に助けられたことへの、深い感謝が込められています。
「親がお世話になった方々への恩返しはもちろんですが、それ以上に『この地域が持続していくこと』が僕の使命だと思っています」。
後継者不在で離農していく農家が後を絶たない現状に対し、峰松さんはスキマ時間で働けるアプリなどを活用し、農業に馴染みのなかった若者たちを積極的に受け入れています。
「農業=大変」という先入観を持たない若者たちと接しながら、峰松さんは新しい風を牧場、そして地域に吹き込み続けています。
🌾第5章:牧場を越え、大地と共に歩む壮大な挑戦
峰松さんの視線は、今、酪農の枠を大きく越えた壮大なビジョンに向けられています。
来年からは、さらに搾乳量アップに加え、広大な土地を活かした本格的な作物の栽培など、事業の大幅な拡大を計画しています。
「原料を生産するだけでなく、自ら付加価値をつけて世の中に届けていく。ここからが本当の勝負です」。
誰も手がけていない領域にこそ、大きな可能性がある。その不屈の開拓者精神は、より大きな形で実現させようとする峰松さんの情熱の表れでもあります。
🌍第6章:数十年後の「循環」を信じて
「10年後はまだ僕も現場で走り回っているでしょうが、30年後にはもう僕がいなくても回る組織にしたい」
峰松さんが見据えているのは、自身の引退後も、この地域の豊かなサイクルが未来永劫続いていく姿です。春に芽吹いた草を牛が食べ、その恵みがまた土に還る。この美しい循環を、より強固なものにしたいと願っています。
「若い人たちに無理に『やってほしい』とは思いません。ただ、彼らが自発的に『ここで働きたい』と思えるような、豊かで持続可能なモデルを僕が創り上げたいんです」
中標津という大地で生きることに誇りを感じ、若者が新しい夢を描ける場所へ。峰松さんの歩みは、地域全体の未来を耕す、壮大な物語へと繋がっています。
💖 峰松さんの「素顔」Q&A
Q. カラオケに行ったら十八番は?
A. 「よくミスチル(Mr.Children)を歌いますね。うちは男3人兄弟なんですけど、3人で集まるといつもミスチル大会になるんです。ちなみに一番下の弟が一番上手です!」
Q. 好きな食べ物は?
A. 「特に選り好みはないんですが……やっぱりビールですね! 居酒屋でもずっとビール、家でも缶ビール飲んでます…(笑)」
Q. 意外な「嫌いなもの」があるとか?
A. 「車の電動スライドドアです。あれ、毎回ちゃんと閉まらないんですよ!だから手動に切り替えました(笑)」
Q. 東京へ行った際に、つい寄ってしまう場所は?
A. 「ドン・キホーテですね!何でも揃っているあの空間に行くと、『ここに来れば全てがある!』と毎回感動して、用もないのに吸い寄せられてしまいます。」
🖊️まとめ
「自分なんてまだまだ」と謙遜しながらも、峰松さんの言葉の一つひとつには、地域と次世代への揺るぎない覚悟と、深い愛情が宿っていました。
かつて自分の道を模索し、逆風の中で踏ん張ってきた峰松さんだからこそ、誰よりも温かい眼差しで若者たちを見つめ、新しい可能性を信じることができるのでしょう。
「スポーツと同じで諦めずに戦い抜けば、チャンスは必ずやってくる」。
その信念を胸に、峰松さんは今日も仲間と共に大地を耕し続けます。
NHD farmが描く壮大な物語は、この道東の地で、より鮮やかに、より深く刻まれていくことでしょう。
ℹ️ 関連情報
- 会社名:株式会社NHD farm
- 所在地:〒086-1273 北海道標津郡中標津町字俣落2141-27
- 関連リンク:NHD farm 公式サイト (※本記事の内容は取材当時のものです)




