牛のごはん大解剖!中標津の牛乳は「何」からできている?

「この町、ずーっと牧草地じゃない?」

中標津に来た人がまず驚くこと。
それは「どこまで行っても続く牧草地と、格子状の防風林」という、圧倒的な風景です。
そして、夏から秋にかけて、もう一つ不思議な光景に出会います。

「あの白いロール、黒いロール何?」
それらは全部「牛のごはん」です。
中標津の美味しい牛乳が「何」からできているのか。
あの風景の「なぜ?」に答える、牛のごはんの秘密に迫ります。


1. 牛の「主食」は“草”! (牧草とトウモロコシ)

私たちがお米を食べるように、牛の「主食」は草(牧草)です。
夏場は放牧地で青々と生えた草(生草)を直接食べることもありますが、
牛乳をたくさん出す牛たちのごはんの基本は「保存食」。

冬が長い中標津では、夏に収穫した牧草やトウモロコシを、
1年分ストックしておく必要があります。

【一言!知って得する豆知識】
牛には胃が4つあり、人間が消化できない「草(繊維)」をエネルギーに変えられる、とんでもない特殊能力を持っています。あの広大な畑の草が「牛乳」という栄養価の高い食品に変わる。これぞ酪農の“すごさ”です。


2. あのロールの正体は、“漬物”です。

さて、あの畑に転がるロールたち…
あれは「ロールサイレージ」といって、
刈り取った牧草をロール状にし、専用のフィルムでぐるぐる巻きにしたものです。

白いロールも黒いロールも、中身は同じ「牛の保存食」です。

あれ、実は“漬物”なんです。

【一言!知って得する豆知識】
生の牧草はすぐに腐ってしまいます。そこで、フィルムで密封して「発酵」させることで、栄養価の高いまま長期保存できる「サイレージ(発酵飼料)」にします。

ちなみに色の違いは、

  • 白: 太陽の光を反射して、中が高温になりすぎるのを防ぐ(夏場に多い)
  • 黒: 光を吸収しにくいが、耐候性が強い(または熱を集めたい時)

といった理由で使い分けられていますが、どちらも牛にとっては乳酸菌たっぷりの美味しい“漬物”なんですよ。


3. “おかず”も必要! 牛乳の質を決める「穀物」

「草(主食)」だけでは、高品質な牛乳をたくさん出すためのエネルギーやタンパク質がちょっと足りません。そこで、人間でいう「おかず」や「サプリ」が必要になります。

それが「配合飼料(はいごうしりょう)」です。
トウモロコシの“実”や大豆かすなどを、
栄養バランスを考えてミックスした、リッチなごはんです。

中標津の牛たちは、

  1. 主食(牧草やトウモロコシのサイレージ)
  2. おかず(配合飼料) を、農家さんが計算した完璧なバランスで食べています。
    (※農家さんによっては、これらを全部混ぜ合わせた「TMR」という特製フルコースを作っている場合もあります)

4. 【課題】「ごはんが、高い」― 飼料代高騰のリアル

ここで問題です。
「主食」の牧草やトウモロコシは、中標津の広大な土地で「自給」できます。
では、「おかず」の配合飼料はどうでしょう?

実は、その原料のほとんどを「輸入」に頼っています。

つまり、

  • 船の運賃(輸送コスト)が上がる
  • 世界的な天候不順で穀物が不作になる
  • 円安になる

    これらの要因が重なると、
    「おかず」代が一気に跳ね上がります。
    まさに「送料負け」ならぬ「飼料負け」です。
    牛乳の値段はすぐには変えられませんが、
    ごはん代は世界情勢で決まってしまう。
    これが今、日本の酪農家さんが直面している「リアルな課題」です。

5. まとめ: 中標津の風景は「うまい牛乳」を守る最前線だ。

中標津の「どこまでも続く牧草地」。
畑に転がる「ロールサイレージ」。
それは、ただのどかな風景ではありません。

牛たちの「主食」を自給し、
「飼料高騰」という世界経済の荒波と戦いながら、
私たちがスーパーで手にする「牛乳」の美味しさを支える「最前線」なのです。

次にあなたが中標津の風景を見たら、きっとこう思うはずです。
「この風景が、あの牛乳を作ってるんだ」と。

(地元民の皆さん、この風景、ちょっと誇らしくないですか?)

※写真引用元
高品質な牧草ロールを作る】価格や現状、取り組み事例についてもご紹介 | 放牧と電気柵の情報サイト
地域創生のヒントが詰まる「中標津モデル」から得た気付き – みらい経営者ONLINE
順調に進む一番牧草の刈り取り:北海道農政事務所 
飼料の種類 – 酪農ジャーナル電子版【酪農PLUS+】
ロールベールラップサイロ – Wikipedia

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